大型ショッピングモール「イオン」を運営しているイオンリテール。
実は、イオンリテールは薬局事業も展開しています。
調剤薬局併設店が約250店舗あり、約1900名もの薬剤師がイオンで働いています。
ショッピングモールの中にあるイオン薬局の薬剤師の年収や働きやすさ、気になりますよね。
この記事では、イオン薬局の薬剤師の年収やワークライフバランス、業務内容などについて解説します。
ドラッグストア薬剤師の年収傾向、向いている人、向いていない人(調剤薬局や病院の方がおすすめ)についてこちらの記事で説明していますので併せてごらんください。
イオンの薬剤師の年収
中途採用のイオンの薬剤師の年収は、求人情報によると、425万円〜798万円程度となっています。
経験や転勤可能な範囲によって、大きく差がでるようです。
イオンリテールの採用サイトでは、以下のように示されています。
全国 |
月給353,000円~550,000円 |
---|---|
エリア |
月給333,500円~530,000円 |
地域限定 |
月給283,500円~480,000円 |
この月給に加えて、年3回(5月・7月・12月)の賞与が出ます。
ただし、入社1年目は5月の賞与は支給されないので注意しましょう。
大手ドラッグストアとの年収比較
イオンの薬剤師の年収は、経験や転勤の可否などによってかなり幅がありますが、条件によってはドラッグストア業界の中でもかなりの高年収を狙えます。
ただし、高年収を得るためには転勤は避けられないでしょう。
大手ドラッグストア | 年収相場 |
---|---|
マツモトキヨシ | 450万円~1100万円 |
クスリのアオキ | 600万円~800万円 |
Amazon | 500万円~800万円 |
イオン | 425万円〜798万円 |
ウエルシア | 600万円~750万円 |
コストコ | 600万円~720万円 |
コスモス薬品 | 550万円~700万円 |
ツルハドラッグ | 480万円~700万円 |
スギ薬局 | 700万円 |
クリエイトSD | 500万円~650万円 |
カワチ薬品 | 470万円~630万円 |
サンドラッグ | 606万円 |
ココカラファイン | 430万円~550万円 |
イオンの薬剤師のワークライフバランス
次にイオンの薬剤師のワークライフバランスについて見ていきましょう。
勤務時間
イオンでは変形労働時間制を採用しています。
年間所定労働時間が1920時間と定められており、業務の忙しさに応じて日ごとに1日4〜10時間のあいだで勤務時間が設定されます。
店舗によっては夜遅くまで営業しているため、午後から出勤して23時まで働くといったシフトになることもあり、生活が不規則になりがちです。
毎日9時〜18時まで規則正しく働きたいという方にはあまり向いていません。
イオン薬剤師がつらいと感じてしまう原因についてはこちらの記事で特集しています。
年間休日
イオンの年間休日数は125〜120日で、一般的な土日祝休みの企業と同じくらいです。
大手ドラッグストアの中では年間休日は多い方です。
イオン |
125~120日 |
ウエルシア |
116日 |
マツモトキヨシ |
113日 |
ツルハドラッグ |
113日 |
コスモス薬品 |
120日 |
参照:各企業の募集要項
イオンでは年間休日のうち、20日間を連続休暇とすることができます。
連続休暇の回数は任意で1〜4回に設定できるため、年に1回20日間の休暇をとる、5日間の連続休暇を年に4回とるといったことも可能です。
子育て支援
イオンは、産前産後休暇や育児休職制度、復職後の時短勤務制度などの子育て支援制度が整っており、「子育てサポート企業」として厚生労働省の認定を受けています。
出産後の育児休業取得率は98%、育児休職後の復職率は100%となっており、育児をしながらもキャリアを形成できる環境です。
看護休暇制度もあり、家族の看護が必要なときは、年間5日、看護休暇(有給)をとることができます。
また、イオンにはリ・エントリー制度という制度があります。
これは、結婚、出産、育児といった理由で円満退社した社員が事前登録しておくことで復職が可能になる制度です。
転勤の有無
イオンの正社員には3つのエリア区分があり、それぞれで転勤の範囲が異なります。
自らのキャリアプラン、ライフプランに合わせて選択できます。
全国 |
東北を除く本州・四国エリア |
エリア |
選択したブロック内での勤務 ①関東・新潟 ②東海・北陸・長野 ③近畿・中国・四国 |
地域限定 |
自宅から通勤可能な範囲での勤務 |
選択したエリア区分は、入社3年目以降、面接を経て変更することができるため、ライフステージの変化に合わせて変えることも可能です。
地域限定社員を選択すれば、転居を伴う転勤はありませんが、全国→エリア→地域限定の順で年収も下がっていきます。
地域限定社員であっても、自宅から通勤可能な範囲での異動はあるため、同じ職場で長く働き続けたいという人には向かないでしょう。
イオンの薬剤師の業務内容
イオンの薬剤師は、調剤・服薬指導・OTC販売のほか、健康食品や介護用品などについての相談対応など幅広い業務を行います。
イオン薬局は地域の大学病院・総合病院からクリニックまで、さまざまな処方箋を扱う「面分業」の機能をベースとしており、在宅医療に取り組む店舗もあります。
処方せん枚数の多い店舗では、調剤・服薬指導がメインとなりますが、店舗によって業務内容には差があります。
店舗によっては、OTCやサプリメントなどの販売やレジ打ち、品出しといった業務もこなさなければならないこともあるようです。
イオンの薬剤師の評判・口コミ
イオンの薬剤師の評判・口コミを調査しました。
参考:openwork
男性
ドラッグストアでお金がとにかく欲しい人はいいと思います。
薬剤師としての能力というよりも経営のノウハウを学ぶ感じなので、スキルはあまり高まらない感じがしました。
薬剤師以外の仕事が多いです。
男性
面調剤の店舗がほとんどのため、さまざまな処方箋を扱うことが多く、経験を積みやすい。
OTCの取り扱いもあるため、接客対応などの知識もつけやすい。
女性
23時までの勤務があり、退勤後は走らないと終電に間に合わない。
シフトは固定ではなく、遅番の翌日に早番というケースもあり、体力的につらい。
女性
給与面は満足しています。福利厚生もしっかりしていて、社宅制度や社員割引制度もあるので助かっています。
育児休暇もしっかりととれるようで、妊娠・出産後も社員として働き続ける方もいました。
男性
イオンに薬剤師として入社するというよりは、イオンの従業員になると思って入社した方がギャップが少ないと思う。
イオンで薬剤師をするメリットは、総合小売業に携われるところと経営母体が大きいことだと思う。
仕事内容の幅が広く、さまざまな経験を積むことができる点、会社の規模が大きく福利厚生が充実している点を評価する口コミが多く見られました。
一方で小売業の側面が強く、薬剤師以外の業務が多いことや、営業時間が長いため遅くまで勤務しなければならないことに不満を抱いている薬剤師も多いようです。
イオン薬局は総合小売業の性質が強いため、薬剤師以外の業務にも積極的に取り組める人に向いている企業といえそうです。
イオンの薬剤師の福利厚生
イオンの福利厚生は以下のとおりです。
- 総合共済会(イオングッドライフクラブ)
- 健康保険組合
- 企業年金基金
- 団体生命保険
- 社員持株会
- 財形貯蓄
- 買物割引制度
- 育児勤務・育児休職制度
- 介護勤務・介護休職制度
- 社宅・住宅助成金制度 など
イオンの福利厚生はほかの大手ドラッグストアと同様に充実しています。
育児勤務・育児休職制度など、子育て支援もあるため、ライフスタイルの変化に合わせて長く安心して働ける環境です。
全国区分、エリア区分の正社員は、転居を伴う異動がありますが、社宅・住宅助成金制度があるため、住居費の心配はありません。
イオンの薬剤師のキャリアプラン
イオンの薬剤師には多様なキャリアプランがあります。
店舗所属の薬剤師として、調剤・OTC販売の経験を積んだあと、管理薬剤師や薬局長を目指すことができます。
薬剤師として、薬局に勤務するだけではなく、若手の育成や商品の仕入れ、自社プライベートブランド商品の開発などに携わることも可能です。
薬剤師としてのキャリアアップはもちろん、薬剤師という枠にとらわれずにさまざまなキャリアを実現できるところがイオンの薬剤師の魅力といえるでしょう。
イオンの薬剤師の研修制度
イオンでは充実した研修制度が整っており、未経験者でも安心して働くことができます。
研修は、社会人としての基礎やビジネスの考え方を学ぶ一般教育と、薬剤師としての知識・技術・カウンセリングスキルを学ぶ専門教育、キャリア支援に分かれています。
専門教育では、薬剤師としての基本スキルはもちろん、ヘルスケアやシニアケア、漢方についての知識・技術・カウンセリングスキルを学べます。
資格取得や通信教育受講、E-ラーニングを支援する制度もあり、自分の興味のある分野についてさらに知識を深めていくことも可能です。
まとめ
この記事では、イオンの薬剤師の年収やワークライフバランス、業務内容などについて解説しました。
大型ショッピングモールの中にあるイオン薬局の薬剤師は、調剤や服薬指導だけでなく、健康食品や衛生用品、シニアケア用品の販売などを通じて、「健康のことならなんでも相談できる専門家」としての役割を担っています。
大手ドラッグストアの中でも年間休日数が多く、最大20日間の連続休暇を取得することもできるため、ワークライフバランスを重視して働くこともできます。
プライベートな時間も大切にしながら、薬剤師という枠にとらわれずに幅広い経験を積みたいという人におすすめの企業です。