大型ショッピングモール「イオン」の中にあるイオン薬局。
大手ならではの充実した福利厚生と高年収が魅力的な会社ですが、業務面では大変な部分もあります。
- イオンの薬剤師として働いているけど、仕事がつらくて悩んでいる
- イオンの薬剤師への転職を検討しているけど、つらいというウワサがあって心配
という薬剤師も多いのではないでしょうか?
この記事では、イオンの薬剤師がつらいと言われる理由とイオンの薬剤師を辞めたいと思ったときの対処法について、現役薬剤師の視点から解説します。
イオンの薬剤師の詳しい労働条件については、【イオン】薬剤師の年収は高い?福利厚生・評判・口コミも徹底調査!で解説していますので、そちらもご覧ください。
大手ドラッグストアの年収比較はこちらの記事です。
イオンの薬剤師がつらいと言われる6つの理由
イオンの薬剤師の口コミ・評判を調査したところ、イオンの薬剤師をつらいと感じる理由として、以下の6つが多く挙げられていました。
- 人間関係がつらい
- 転勤がある
- 調剤以外の業務が多い
- 生活が不規則になる
- 家族や友人と休みが合わない
- 育児との両立が難しい
多くの薬剤師がシフト制の勤務や転勤に悩みを抱えています。
イオンに限らず、多くの薬剤師が辞めたいと感じてしまう原因をこちらの記事で特集しています。
人間関係がつらい
イオンの薬剤師にかぎったことではありませんが、仕事の悩みとしてもっとも多いのは人間関係の悩みです。
- 上司と合わない
- 同僚とのコミュニケーションがうまくとれない
- 患者対応にストレスを感じる
などの悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
とくに規模が小さく、数名のスタッフで業務を行っている薬局では、管理薬剤師の人柄が職場の雰囲気に大きく影響します。
管理薬剤師が頼りなかったり、相性が合わなかったりすると働くのがつらいと感じてしまうでしょう。
イオンでは、薬剤師だけでなく、登録販売者や一般従業員も一緒に働いています。
いろいろな属性の同僚とよい関係を築くのに苦労するケースもあるようです。
転勤がある
イオンの薬剤師は、勤務エリアによって、全国、エリア指定、地域限定の3つの区分に分けられており、地域限定社員以外は転居を伴う転勤があります。
地域限定社員を選択すれば、転居を伴う転勤はありませんが、全国区分やエリア区分の社員と比べると年収が下がってしまいます。
独身で身軽なうちは、高年収を実現するために数年ごとに全国各地に転勤することができていても、家庭をもつと転勤が負担になってくるケースも多いです。
選択したエリア区分は、入社3年目以降、面接を経て変更することもできますが、全国から地域限定社員になると、月7万円ほど月収が下がってしまいます。
結婚などを機に転勤のない職場への転職を検討する薬剤師も多いようです。
調剤以外の業務が多い
イオン薬局は総合小売業としての側面が強いため、店舗によっては薬剤師であってもレジ打ちや品出し、売り場作りなどの業務を行わなければなりません。
「イオン薬局で働くということは、ドラッグストアに就職するというよりもイオンの社員、つまり総合小売業の社員となるという意識をもった方がよい」という口コミもありました。
研修内容も、薬剤師としての専門知識を高める内容のものばかりではなく、経営のノウハウやドラッグストアで取り扱う商品(介護用品等)についてのものもあります。
薬剤師としての専門知識を高めていきたい、調剤や服薬指導など薬剤師としての業務をメインでやりたいと思っている人は、小売業としての業務をつらいと感じることもあるようです。
生活が不規則になる
イオン薬局は夜遅くまで営業している店舗が多く、生活が不規則になりやすいです。
イオンでは変形労働時間制を採用しています。
年間所定労働時間が1920時間と定められており、業務の忙しさに応じて日ごとに1日4〜10時間のあいだで勤務時間が設定されます。
シフト制のため、23時までの勤務をした翌日に朝9時から出勤というケースもあり、体力的にきついという口コミも見られました。
毎日9時〜18時の勤務時間で規則正しく働きたいという人には向いていません。
家族や友人と休みが合わない
イオンの年間休日数は125〜120日で、一般的な土日祝休みの企業と同じくらいですが、小売業としての側面が強いため、土日や年末年始、GW、お盆などに休みをとることは難しいです。
年間休日のうち、最大20日を連続休暇として取得できる制度があり、会社として連続休暇の取得を促していますが、家族や友人と日程を合わせて休暇を取得しづらいという現状があります。
平日の空いているときに旅行やショッピングを楽しめるといったメリットもありますが、周囲の人と休みが合わなくてつらいと感じる人も多いようです。
育児との両立が難しい
イオン薬局は、夜遅くまで営業しており、育児との両立が難しいといった意見もあります。
子どもが3歳になるまでは時短勤務が認められていますが、時短勤務終了後、まだ幼い子どもがいる状況で遅番の勤務をするのは難しいです。
店舗によっては、小さい子どもがいる社員は遅番や土日出勤のシフトを免除してもらえることもあるようですが、人手が足りていない店舗ではそういった配慮ができないこともあります。
また、遅番に入れない社員がいると、他の社員にしわ寄せがいってしまうため、職場にいづらくなるというケースもあるようです。
イオンの薬剤師を辞めたいと思ったときの4つの対処法
イオンの薬剤師を辞めたいと思ったとき、気持ちのままに勢いで辞めてしまうのは得策ではありません。
後悔しない決断をするために、まずは以下のことに取り組んでみましょう。
- ゆっくりと休む
- 家族や友人に相談する
- 上司に相談する
- 転職を検討する
ひとつずつ詳しく解説していきますね。
まずはゆっくりと休む
まずはゆっくりと心と身体を休めましょう。
日々の仕事で心身ともに疲れ切った状態では冷静な判断ができません。
そのような状態で「退職」という大きな決断をすると、後悔する可能性があります。
有給休暇を取得して、ゆっくりと身体を休めたり、好きなことをしてリフレッシュしたりする時間を作りましょう。
体調を崩している場合は、退職する前に休職するという選択肢もあります。
しばらく休職して心身が回復すれば、またイオンの薬剤師として頑張ろうと思えるかもしれません。
家族や友人に相談する
仕事の悩みや辞めたいと思っている理由を、家族や親しい友人などの信頼できる周囲の人に相談してみましょう。
家族や友人には、職場の同僚には言いづらい仕事の愚痴も話しやすいものです。
周囲の人に悩みを打ち明け、共感してもらうだけでも気分がスッキリして、また仕事を頑張ろうと思えることもあります。
人に悩みを話すことで、自分の抱えている問題やつらいと思う気持ちを整理することができます。
自分とは違った視点から、有益なアドバイスが得られるかもしれません。
上司に相談する
業務内容についての不満や人間関係の悩みなどは上司に相談することで解決できる可能性があります。
イオン薬局は多数の店舗があり、業務内容も店舗によって差があるため、やりたい業務の店舗に異動させてもらえるかもしれません。
人間関係のつらさがある場合、合わないスタッフと別店舗に配属してもらえるケースもあります。
部下が働きやすい環境を作るのも上司の仕事です。
信頼できる上司がいれば、我慢せずに頼ってみましょう。
転職を検討する
イオンの薬剤師を辞めたいと思ったらまずは薬剤師専門の転職エージェントに登録してみましょう。
転職エージェントに登録すると、専任のアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。
職場の雰囲気や人間関係、残業の多さ、休みの取りやすさなど、求人票からはわかりづらい部分も教えてくれるので安心して転職活動をすすめることができます。
転職エージェントに登録して、さまざまな求人を見ていく中で、自分にとってイオン薬局が最適な職場だと感じることもあるかもしれません。
そういう場合は、転職をしないという決断をしても問題ありません。
転職エージェントは、応募先の企業に登録者が就職した際に企業から紹介料をもらっています。
そのため、薬剤師は完全無料でサービスを利用できます。
- 転職すべきかどうか悩んでいる
- どんな求人があるのか知りたい
- 自分の市場価値を確かめたい
といった理由でも利用できるので、転職を考え始めたらまずは登録してみましょう。
イオンの薬剤師として働くメリット
ここまでイオンの薬剤師がつらいと言われる理由について解説してきましたが、イオンの薬剤師として働くメリットもあります。
イオンの薬剤師として働くメリットを2つ紹介します。
年収が高い
イオンの薬剤師の年収は、経験や転勤の可否などによって差がありますが、条件によってはドラッグストア業界の中でもかなりの高年収を狙えます。
大手ドラッグストア | 年収相場 |
---|---|
マツモトキヨシ | 450万円~1100万円 |
クスリのアオキ | 600万円~800万円 |
Amazon | 500万円~800万円 |
イオン | 425万円〜798万円 |
ウエルシア | 600万円~750万円 |
コストコ | 600万円~720万円 |
コスモス薬品 | 550万円~700万円 |
ツルハドラッグ | 480万円~700万円 |
スギ薬局 | 700万円 |
クリエイトSD | 500万円~650万円 |
カワチ薬品 | 470万円~630万円 |
サンドラッグ | 606万円 |
ココカラファイン | 430万円~550万円 |
一般的には夏と冬の年2回支給のボーナスが、5月・7月・12月の年3回支給されるのも特徴的です。
年間休日数が多い
イオンの年間休日数は125〜120日で、大手ドラッグストアの中でも年間休日は多い方です。
お盆や年末年始、GWなどに休みづらいということはありますが、年間休日のうち、20日間を連続休暇とすることができます。
連続休暇の回数は任意で1〜4回に設定できるため、年に1回20日間の休暇をとる、5日間の連続休暇を年に4回とるといったことも可能です。
連続した休暇がとれるため、海外旅行などにも行きやすい会社といえるでしょう。
まとめ
この記事では、イオンの薬剤師がつらいと言われる理由とイオンの薬剤師を辞めたいと思ったときの対処法について解説しました。
イオンは、経営母体が大きく、年収や年間休日数が魅力的である一方で、転勤や不規則な勤務シフトが負担となり、つらいと感じる薬剤師が多いのも現実です。
薬剤師として活躍できる場所はイオン薬局だけではありません。
自分の市場価値やどんな求人があるのかを調べておくだけでも心の余裕につながります。
イオンの薬剤師をつらいと感じているのであれば、まずは転職エージェントに登録して、アドバイザーに相談してみましょう。
よくある質問
イオンの薬剤師がつらい理由は?
イオンの薬剤師の口コミ・評判を調査したところ、イオンの薬剤師をつらいと感じる理由として、以下の6つが多く挙げられていました。
- 人間関係がつらい
- 転勤がある
- 調剤以外の業務が多い
- 生活が不規則になる
- 家族や友人と休みが合わない
- 育児との両立が難しい
多くの薬剤師がシフト制の勤務や転勤に悩みを抱えています。