「どうすれば職場の人間関係を解決することができるの?」「転職先の人間関係の良し悪しはどうすれば分かるの?」と悩んでいる薬剤師の方も多いのではないでしょうか?
薬剤師の職場の人間関係の悩みを解決する方法、転職先の人間関係の良し悪しを事前に確認する方法について、ドラッグストア、病院での勤務経験がある薬剤師が説明します。
具体的には、以下の順番に紹介していきます。
- 薬剤師が人間関係で悩む理由とは?
- 薬剤師の人間関係の悩みを解消する方法
- 転職先の人間関係の良し悪しは職場見学で分かる?
現職での人間関係に悩んでいたり、転職先での人間関係を事前に判断したい場合にヒントが得られますので、ぜひ最後まで読んでください。
人間関係のほかにも、薬剤師が辞めたいと感じてしまう原因と対応策をこちらの記事で特集しています。
薬剤師が人間関係で悩む原因は?
薬剤師は往々にして「人間関係の悩みを抱えやすい」と言われます。
人間関係の悩みを抱えやすい理由の1つに「ミスが許されない緊張感」が挙げられます。
異種同効薬剤、似ている名前の薬剤、複数規格のある薬剤…命を預かる仕事ですが、リスクを発生する原因も数多くあり、薬剤師の職場は常に緊張感に包まれています。
気が張り詰めた中で仕事を行っているので、職場内で対人トラブルが発生してしまうことも少なからずあります。
ここでは薬剤師が人間関係で悩む理由を職場別に解説します。
自分の職場に当てはまるかどうか、確認してみましょう。
- 調剤薬局の場合
- 病院の場合
- ドラッグストアの場合
調剤薬局の場合
調剤薬局は狭い空間で、少人数で働くことが多いので、密度の濃い空間になりやすいです。
合わない人とも関わらないと業務が進まないので、トラブルが生じると暗い気持ちを引きずったまま過ごすことになります。
長時間、空間を共有するので、ストレスのたまりやすい環境といえるでしょう。
調剤薬局の仕事柄、処方箋枚数が多いので当然スピードも要求されます。
それが「ミスは許されない」という張り詰めた雰囲気に重なり、調剤室内は殺伐とした空気が漂うことも多く見られるようです。
病院の場合
病院の場合、チーム医療が行われるため、医師、看護師など他職種との関わりがあり、人間関係も複雑になりやすいです。
院内の調剤室では限られた人・狭い空間で、調剤薬局と同じです。
しかし、他職種と接する機会が多いので、院内での立場によっては細かい気遣いが必要で気苦労が絶えないという面もあります。
さらに病院の場合、公務員薬剤師でない限り、基本的に転勤や人事異動がありません。
調剤薬局やドラッグストアのように転勤や異動による環境の変化が期待できない環境となります。
病院薬剤師の年収相場、職場環境、仕事内容についてこちらの記事で解説しています。
ドラッグストアの場合
ドラッグストアには薬剤師以外の職種の人も多くおり、雇用形態も正社員、パートなど様々です。
職や立場の違いで「差別」や「妬み」が生じてしまいがちです。
自由に休めるパート・アルバイトを羨ましく思ったり、給与の高い薬剤師を妬んだりなどして、人間関係が悪化することも良くあります。
店舗の規模によっては多人数の人が働いていることもあり、集団であるからこその人間関係トラブルが生じる場合もあります。
ドラッグストアへの転職の場合は、さまざまな職や立場の人と関わるので、人間関係に悩む可能性があると心に留めておきましょう。
大手チェーン別のドラッグストア薬剤師の年収比較、ドラッグストア薬剤師の転職方法についてこちらの記事で説明しています。
薬剤師の人間関係の悩みを解消する方法
どんな職場でも人間関係に悩む可能性はあるので、安易に転職をしてしまうと悩みを解決できなかったり、何度も転職をしてしまう可能性があります。
ここでは、薬剤師の人間関係の悩みを解消する方法を4つ紹介します。
- 信頼できる人に相談する
- 「合わない人もいる」と割り切る
- 異動や転勤願を出してみる
- 転職する
以下で、1つずつ詳しく説明します。
信頼できる人に相談する
1人で悩むのに疲れた場合、信頼できる人に相談してみましょう。
信頼できる人に相談すると気持ちが楽になったり、相談している最中に思わぬ解決策が見つかったりする可能性があります。
「信頼できる先輩のアドバイスで、同僚との関係が改善した」というケースも多く見られるようです。
同じ境遇にある薬剤師仲間だからこそ、悩みを深くまで理解してくれます。
相談相手に最適で、「悩んでいるのは自分だけではない」と知り、気持ちが楽になる場合もあるでしょう。
「職場に相談できる人がいない」という場合は、家族や職場以外の友人などに相談するのも1つです。
問題を抱え込んでいる場合は、まずは「相談できる人」を探してみましょう。
「合わない人もいる」と割り切る
明らかに相手に問題がある場合もあるので、そのような場合は「合わない人もいる」と割り切ることも必要です。
そのような「自分に合わない人」とは「仕事の関係」と思うことも必要でしょう。
「自分に合わない人」の基準は人によってマチマチですが、本来、そうはしたくないもの。
ここでは、人間関係の改善見込みがないと思われる人の態度を挙げてみますが、1度は自分の中でよく考えてみましょう。
【人間関係の改善見込みがないと思われる人の態度】
- 気分によって態度が変わる
- 露骨に嫌と感じられる態度を取る
- 相性が合わない
異動や転勤願を出してみる
勤務先に複数の店舗がある場合は、異動や転勤願を出すのも1つの方法です。
異動は転職よりも心のハードルが低く、業務内容をほとんど変えずに勤務できるメリットがあります。
ストレスを感じつつ働き続けるのは大変ですが、それを上回るメリットを感じている間は大丈夫です。
しかし、ストレスに押しつぶされる前に何らかの方法を取ることをおすすめします。
転職する
異動も転勤もできない職場の場合は、ストレスに押しつぶされる前に、思い切って転職し、リセットするというのも1つです。
「人間関係の悩みで転職なんて…」と思う方もいるかもしれませんが、人それぞれです。
より良い条件、職場環境、人間関係の職場に転職するためにおすすめの転職エージェントをこちらの記事で特集しています。
転職先の人間関係の良し悪しは職場見学で分かる?
職場での人間関係の悩みを繰り返さないために転職前の準備をしっかりしましょう。
ここで紹介するのは、転職先の人間関係の良し悪しを事前に知る方法5つです。
- 職場見学をする
- 派遣や紹介予定派遣で人間関係を確認する
- 有給休暇取得率、離職率の情報を得る
- 求人募集が多いところは要注意
- 職場の口コミサイトを利用する
以下で、1つずつ詳しく説明します。
職場見学をする
転職先の実際の雰囲気を感じることができる絶好の機会なので、ミスマッチのない転職を実現するためにも、ぜひ職場見学に出向きましょう。
以下のような職場は、人間関係が悪くなりやすい傾向にあったり、雰囲気が良くなかったりするので、注意して確認しましょう。
【人間関係が悪化しやすい職場】
- 忙しすぎる
- 人数が明らかに少ない
- 調剤室を含めて掃除が行き届いていない
職場見学では、「職場の雰囲気が自分に合うか」といった観点で見ることが大切です。
全てを把握するのは困難ですが、「職場の雰囲気が自分には合わない」ということは避けられるでしょう。
そのほか、働いている人にも挨拶してみて、その反応もあわせて確認することをおすすめします。
「明るく挨拶してもらえた」など、職場見学で転職に前向きになれることも多くあります。
派遣や紹介予定派遣で人間関係を確認する
事前見学をしても人間関係に不安があるのであれば、派遣や紹介予定派遣をして転職先の人間関係を確認してみるのも良いでしょう。
実際に働いて、転職先の内情を知ることができます。
職場スタッフとの相性のほか、異動や入退職の頻度なども確認でき、安心して転職できるでしょう。
また、派遣や紹介予定派遣で働いている間に、トラブルが発生したり、人間関係が悪いと気がついたりした場合は、派遣期間終了と共に離れられるというメリットもあります。
有給休暇取得率、離職率の情報を得る
有給休暇取得率、離職率は職場選びの1つの参考になります。
有給休暇取得率が低い場合は、その職場が有給休暇を取得しにくい(あるいはそうした雰囲気がある)ということを表しています。
離職率が高い場合は、その職場には社員が辞めてしまい定着しにくい何らかの理由があるということです。
どちらも人間関係に問題がある可能性があります。
政府主導の働き方改革があり、働く側も雇用する側も大分意識が変化してきました。
ただこれらの情報は非公開である場合が多く、事前に知るのは困難な場合が多いです。
勤務条件や待遇面への質問は就職意欲の表れでもあるので、有給休暇取得率、離職率の情報を面接時に聞いてみましょう。
「こんなことを聞いて心象を悪くするのでは?」と不安に思う方もいると思いますが、聞くも聞かないも自分次第です。
しかし、聞く順番や聞き方次第で相手に良くも悪くも印象を残しますので注意しましょう。
まずは、自分の仕事への熱意を十分に伝え、その後に仕事内容や事業所の雰囲気などを聞くことです。
話の流れで休日などのことが話題にのぼったところで、さりげなく有給休暇の取得率などの実情を尋ねることができます。
「ここでできるだけ長く働きたいので、もっと詳しく知りたい」とアピールすることにもつながるので、ぜひ試してみてください。
求人募集が多いところは要注意
頻繁に求人広告を出している会社には注意しましょう。
それだけ退職者が多く、常時、人手不足になっていることが考えられるからです。
退職者が多く、人の入れ代わりが激しい職場は、人間関係が良くない可能性があります。
職場の口コミサイトを利用する
転職先の人間関係を事前に知るために、会社の評判が投稿されている口コミサイトを利用する方法があります。
転職希望先で働いている社員や元社員が会社の様子を投稿しているため、実際の雰囲気を知ることができます。
ただし、円満退職できなかった人が意図的にネガティブな内容を投稿している場合もあるので、すべて信用するのではなく、参考程度にしておきましょう。
まとめ
薬剤師の職場の人間関係の悩みを解決する方法、転職先の人間関係の良し悪しを事前に確認する方法を紹介してきました。
薬剤師の職場は緊張感を伴うため、ストレスを抱えながら仕事をすることを負担に感じてしまう場合が多いです。
悩みを解消する努力をしても改善されなかった場合は、ストレスにおしつぶされる場合に転職を検討してみましょう。
よくある質問
薬剤師が人間関係で悩む原因は?
人間関係の悩みを抱えやすい理由の1つに「ミスが許されない緊張感」が挙げられます。
異種同効薬剤、似ている名前の薬剤、複数規格のある薬剤…命を預かる仕事ですが、リスクを発生する原因も数多くあり、薬剤師の職場は常に緊張感に包まれています。
気が張り詰めた中で仕事を行っているので、職場内で対人トラブルが発生してしまうことも少なからずあります。